2016年 京都人が選ぶ秋の京都 厳選おすすめスポット
2016年 京都人が選ぶ秋の京都 厳選おすすめスポット
夏もあっという間に過ぎていき、風が心地いい季節になってきました。
私の住む京都も幾分暑さも弱まり、過ごしやすくなってまいりました。
秋の深まる季節に京都に旅行を考えていらっしゃる方は多いと思います。
まだ具体的に京都方面に行きたいな~とお考えであったり、京都初心者の方、また京都にたびたび訪れておられる京都通の方、今回は定番のところを少し外してあるテーマでおすすめのスポットを厳選してみました。
そのテーマとは 伊藤若冲
伊藤若冲とは京都が生んだ超絶技巧の天才絵師。錦市場の青物問屋に生まれ、家業を弟に譲って絵に没頭。生涯妻を娶ることもなく、終生画業に勤しんだ孤高の絵師。近年その評価はうなぎのぼりで春に東京美術館にて催された生誕300年記念 若冲展は5時間待ちになるなど大盛況であった。
若冲の出身地の京都はこの秋様々な若冲イベントが開催予定でその中でも厳選の3つを紹介したいと思います。
1 信行寺 天井画花卉図
特別公開期間 11月11日~13日
2015年の秋に初公開され、若冲の中でも珍しい天井画やそのクオリティ、ボリューム。また剥落の恐れから多分最初で最後の公開といううわさがうわさを呼び連日大勢が詰めかけ、本堂に入りきらずに庭に幾重にも人の渋滞ができていました。
その大きすぎる反響からか今年も3日間ではあるが特別拝観が復活。もともとは若冲ゆかりの石峰寺にあった167の画面に60種近くの草花をかき分けた天井画だ。身近な牡丹や菊、梅であったり当時としては珍しいヒマワリなどを採食豊かに描きわけ、またその視点も面白く花の裏側から描いた作品もある。
行かれる方はその日の天気予報をチェックされていくことをお勧めします。その理由は、展示物の劣化を防ぐために自然光のみでの拝観となっており、補助的な照明が一切ないため雨や曇り等の照度の低い日にはとても天井画が見ずらい為です。私が去年訪れた日は雨模様で照度が低く、また大勢の拝観者により床の光の反射もさえぎられてかなり見ずらかったです。
また本堂床に座しての拝観となりますので距離が遠く見ずらいので双眼鏡や単眼鏡をお持ちするのも大変おすすめです。おすすめの拝観時間帯はやはり京都観光の定番の朝一です。一度に本堂にはいれる人数が約50人。住職の説明等ありますので一回の案内が15~30分かかりますのですぐに行列になってしまいます。拝観後の時間を有意義に過ごしていただくのであれば朝一必須です。
* 土曜日朝一行ってきました。開門前から100人ぐらい並んでいました。去年と同じで本堂に入れるだけ入ったら住職による説明の開始です。一回に入れる人数はだいたい50名から100名前後でしょうか?今回最大に変わっていた点として床からのLEDによる照明の設備です。光量調整、ホワイトバランス調整のついたLEDで様々な場面で適切な光が選べるようです。じっさいにタングステン光や電球光を試されてましたが全然違う雰囲気になり大変興味深かったです。何より住職も言われてましたが去年と違いとても絵が見やすくなっていたことに感動しました。
やはり今年で見納めみたいですので是非明日お時間あるかたは行かれてはいかがでしょうか?
○ 信行寺「花卉図天井画」特別公開
信行寺では,伊藤若冲生誕300年を記念して,以下のとおり「花卉図天井画」を3日間の期間限定で,特別公開されます。
1 開催日 平成28年11月11日(金曜日)~11月13日(日曜日)
2 開催時間 午前9時~午後4時(受付終了)
3 拝観料 800円 ※ 事前申込は不要です。
4 主催 信行寺
多分今年の公開が一般に公開される最後の可能性が高いです。
2 宝蔵寺
特別公開期間 10月28日~11月7日
宝蔵寺は伊藤家の菩提寺でもあり、生家のあった錦市場からもほど近い場所にあります。今回公開されるのは拓版画と呼ばれる若冲が発明した技法で刷られた髑髏図や水墨画の竹に雄鶏図等が限定公開される。
闇夜に浮かぶ野ざらしの髑髏には若冲の死生観が表れており、漆黒の闇に引き摺られそうな気持になります。竹に雄鶏図では竹と鶏が見事に墨の濃淡だけで書かれており、その毛並みまでもが立体的に躍動感あふれて描かれています。
また今年からは髑髏図をモチーフにした御朱印も登場したみたいで、集める喜びも増えました。
繁華街から近いこともありお土産屋による前に参拝してみてはいかがでしょうか?
京都非公開文化財特別拝観ですので大勢の方が来ることが予想されます。あえて時間を外して観光客が帰路に就く午後3時以降に行くのが案外空いているかもしれません。
【期間】 | 10月28日(金)~11月7日(月) |
【拝観時間】 | 午前9時~午後4時 |
【拝観料】 | 大人(一人) 800円 |
3 京都市美術館
公開期間 10月4日~12月4日
今年の春に東京であった展覧会よりかは規模、作品ともに劣るのは仕方ないがその分会期が約2か月と長くまた人気作品の展示替え等もあり長くたのしめそうだ。
花鳥図が多い中、若冲としては珍しい犬、ましてや愛らしい犬が100匹も書かれて人気な百犬図や点描画やドット絵なら発想に浮かぶであろうがその斜め上を行く枡目書きで極彩色豊かに描かれた樹花鳥獣図屏風。壮大なスケールで描かれた象と鯨図屏風。と多彩な若冲画が用意されている。
若冲を手っ取り早く知るには規模、内容ともにバランスが取れているだろう。惜しくは人気の作品の会期が被ってないことだ。
目当ての作品を決めるのもまた楽しい時間。おすすめの時間帯はやはり朝、多数の来場が予想されるので混雑がマックスになる午後までには入館したい。
開館時間 | : | AM 9:00〜PM 5:00 (ただし入場はPM 4:30まで) |
休館日 | : | 月曜日(祝日の場合は開館)及び年末年始(12月28日〜1月2日) ※ただし平成28年1月2日は特別開館します。 |
以上、若冲というテーマに沿って紹介してみましたが信行寺はたぶん今年限り、宝蔵寺での公開も始まって数年以内ととてもプレミア感が強い物ばかりです。
またここでは紹介しきれなかった若冲筆投げの間の海宝寺。若冲晩年の隠棲の場石峰寺。東京展で話題になった動植彩絵のレプリカのある相国寺。
とまだまだ若冲を記念したイベントはあります。ぜひ京都に立ち寄った際には顔を出してみてはいかがでしょうか?
*1:拝観状況等の内容は去年のものですので今年はどうなっているのかはまだ分かりません。あくまで参考程度、対策としてお考えください。